楽器にとって最も危険なのは「乾燥」です!
“湿度が高いと音がこもる…”なんて言われますが、
そんなことよりも致命的なのが乾燥。
放置すると、ひび割れや接着の剥がれなど、大きなダメージにつながります。

「バキィッ!」という音とともに、友人の側板-裏板に亀裂が入る場面に遭遇しました…(恐怖)
とくに日本の秋冬は空気が乾き、乾燥対策が重要になる季節。
そこで役立つのが、「ダンピット」「ヒューミトロン」という保湿アイテムです。
これらは、給水させたスポンジをチューブで包み、f字孔に入れて使うアイテム。
乾燥しやすい環境でも、楽器内部にうるおいを与えてくれます。
バイオリン用ダンピットはコロナ禍に生産終了となりましたが、
現在は代用品としてヒューミトロンが普及しつつあります。
この記事では、
- ダンピット/ヒューミトロンの正しい使い方
- メリットや、両者の違い
- よくある疑問と回答
を、使用者目線でわかりやすく解説します。
「乾燥対策どうしよう…」「ダンピットの代わりはない?」と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください!
ダンピット/ヒューミトロンの使い方
ダンピットやヒューミトロンは、正しい手順で使うことで効果が最大化します。
初めての方は、以下の3ステップを押さえておきましょう。
① 水に浸す(30秒〜1分)
コップや洗面器に水を入れ、スポンジ部分がしっかり吸水するまで浸します。
ダンピット/ヒューミトロンには小さな穴があり、そこから水分を吸収します。
② 表面の水分をしっかり拭き取る
水滴がついたまま入れると、f字孔付近に垂れる可能性があります。
外側の水分だけは、タオルやティッシュで軽く拭き取ってください。
③ f字孔の下側に差し込む
黒いストッパーを持ち、細い先端からf字孔へゆっくり入れます。
ストッパーだけ楽器の外側に残るよう、奥まで入れれば完了です。
ダンピット/ヒューミトロンのメリット
ひび割れ・剥がれなど致命的な乾燥ダメージを防げる
木は乾燥に弱く、湿度が急激に下がると、割れ・接着剥がれといったトラブルが起きやすくなります。
ダンピット/ヒューミトロンは、内部から一定の湿度を保つため、こうしたリスクを減らすことができます。
- 特に冬場の移動中は効果大!
- ケース内の湿度が安定するので安心!
外で弾くときも、艶のある音が出しやすい
乾燥すると、音がカサついたり、耳に刺さるような成分が強くなります。
保湿アイテムを入れておくことで、楽器内部の湿度が安定し、音がなめらかになります。
- 耳ごこちの良い音を出せる
- 音色の引出しを作りやすい
デメリット
入れたまま弾いてしまうことがある(笑)
慣れてくると存在を忘れやすく、「あれ、変な振動が…?」と思ったら入れっぱなしだった、ということがたまにあります(笑)
ただ、重量がほとんどないため、入れたまま弾いても基本的に問題はありません。

ヒューミトロンは代用品として問題ない?
バイオリン用のダンピットは、コロナ禍の影響で生産終了となってしまいました。
その代わりに現在多くの演奏者が使用しているのが 「ヒューミトロン」 です。
結論から言うと――
ダンピットの代用品としてまったく問題ありません!
全く問題ない!むしろ価格も安くておすすめ
ヒューミトロンは、ダンピットと同じ構造・同じ使い方で使える保湿アイテムです。
スポンジの給水方式も同じで、f字孔に入れれば内部の湿度を一定に保ってくれます。
- ダンピットと使い方はまったく同じ!
- 使い勝手もほぼ同じ!
- 価格はおよそ半額とリーズナブル!
レアで高価なダンピットを探すより早い&安いです!
両者の違いは「柔らかさ」
ヒューミトロンは、ダンピットに比べてチューブがほんの少し柔らかいのが特徴です。
(※柔らかいといっても、水が漏れるようなことはないのでご安心を!)
- メリット:楽器に触れたときにより優しい
- デメリット:劣化がやや早い可能性がある
ちなみに、筆者は現在ヒューミトロン2年目です。2年間は問題なく使えると思います!
よくある疑問と回答
ダンピット/ヒューミトロンを初めて使うときに、多くの人が抱きやすい疑問をまとめました。
どれも実際の使用感をもとに回答しています。
ダンピットを入れたまま持ち運んで大丈夫?
A. 持ち運んで問題ありません!

内部を傷つけたりしない?
A. ダンピット/ヒューミトロンはとても軽く、
中の壁や魂柱に触れてもダメージを与える心配はありません!

「あ、これ埃取りにも使える…」と思います(苦笑)
どれくらいの頻度で給水すればいい?
A. 使用環境にもよりますが、1〜2日に1回が目安です。
水が滴ったりしない?
A. 外側さえきちんと拭き取れば、滴ることはほぼありません。
不安な方は、給水後に一度つまんでしぼりましょう!
音はどれくらい変わる?
A. 乾燥したときに出る 「耳に刺さるような成分」や「カサつき」 が軽減されます。
もっとも、ダンピット/ヒューミトロンの主目的は楽器への致命傷を防ぐこと。
音の違いについては副次的効果です!

まとめ|楽器は木であることを忘れずに、保湿ケアしよう!
弦楽器は木でできているため、乾燥にはとても弱いです。
特に外出時の乾燥に対し、ダンピット/ヒューミトロンは助けになります。
内部からうるおいを保つだけで、致命傷を避けられるし、音の艶やかさも変わります。
その上で、外出時にダンピットたちを使うのがベストです!
「そんなに変わるの?」という人にこそ——
大切な楽器が”木”であることを思い出していただき、ぜひケアをしましょう!








