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バイオリンの乾燥対策に必須!「ダンピット」「ヒューミトロン」買うメリットと正しい使い方

 楽器にとって最も危険なのは「乾燥」です!

“湿度が高いと音がこもる…”なんて言われますが、
そんなことよりも致命的なのが乾燥。

放置すると、ひび割れ接着の剥がれなど、大きなダメージにつながります。

筆者
湿度20%台暖房ガンガンの体育館でチューニングしていたら、
「バキィッ!」という音とともに、友人の側板-裏板に亀裂が入る場面に遭遇しました…(恐怖)

とくに日本の秋冬は空気が乾き、乾燥対策が重要になる季節。

そこで役立つのが、ダンピット」「ヒューミトロンという保湿アイテムです。

これらは、給水させたスポンジをチューブで包み、f字孔に入れて使うアイテム。
乾燥しやすい環境でも、楽器内部にうるおいを与えてくれます。

バイオリン用ダンピットはコロナ禍に生産終了となりましたが、
現在は代用品としてヒューミトロンが普及しつつあります。

筆者
私はバイオリンにヒューミトロンビオラにダンピットを愛用しています!

この記事では、

  • ダンピット/ヒューミトロンの正しい使い方
  • メリットや、両者の違い
  • よくある疑問と回答

を、使用者目線でわかりやすく解説します。

「乾燥対策どうしよう…」「ダンピットの代わりはない?」と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください!

 

ダンピット/ヒューミトロンの使い方

ダンピットやヒューミトロンは、正しい手順で使うことで効果が最大化します。
初めての方は、以下の3ステップを押さえておきましょう。

① 水に浸す(30秒〜1分)

コップや洗面器に水を入れ、スポンジ部分がしっかり吸水するまで浸します。
ダンピット/ヒューミトロンには小さな穴があり、そこから水分を吸収します。

✔ ポイント:必ず水道水で!(説明書にも記載あり)

② 表面の水分をしっかり拭き取る

水滴がついたまま入れると、f字孔付近に垂れる可能性があります。
外側の水分だけは、タオルやティッシュで軽く拭き取ってください。

✔ 不安ならチューブをつまんで”ぎゅっ”と絞るとよい!

③ f字孔の下側に差し込む

黒いストッパーを持ち、細い先端からf字孔へゆっくり入れます。
ストッパーだけ楽器の外側に残るよう、奥まで入れれば完了です。

✔ このままケースに入れて持ち運んで問題なし!

ダンピット/ヒューミトロンのメリット

ひび割れ・剥がれなど致命的な乾燥ダメージを防げる

木は乾燥に弱く、湿度が急激に下がると、割れ・接着剥がれといったトラブルが起きやすくなります。
ダンピット/ヒューミトロンは、内部から一定の湿度を保つため、こうしたリスクを減らすことができます。

  • 特に冬場の移動中は効果大!
  • ケース内の湿度が安定するので安心!

外で弾くときも、艶のある音が出しやすい

乾燥すると、音がカサついたり耳に刺さるような成分が強くなります。
保湿アイテムを入れておくことで、楽器内部の湿度が安定し、音がなめらかになります。

  • 耳ごこちの良い音を出せる
  • 音色の引出しを作りやすい
筆者
特に冬のコンサートや、公共施設での練習で効果を実感できます!

デメリット

入れたまま弾いてしまうことがある(笑)

慣れてくると存在を忘れやすく、「あれ、変な振動が…?」と思ったら入れっぱなしだった、ということがたまにあります(笑)
ただ、重量がほとんどないため、入れたまま弾いても基本的に問題はありません。

筆者
本当に忘れます。だって、f字孔から黒いストッパーが出てるだけだし…(笑)

ヒューミトロンは代用品として問題ない?

バイオリン用のダンピットは、コロナ禍の影響で生産終了となってしまいました。
その代わりに現在多くの演奏者が使用しているのが 「ヒューミトロン」 です。

結論から言うと――
ダンピットの代用品としてまったく問題ありません!

全く問題ない!むしろ価格も安くておすすめ

ヒューミトロンは、ダンピットと同じ構造・同じ使い方で使える保湿アイテムです。
スポンジの給水方式も同じで、f字孔に入れれば内部の湿度を一定に保ってくれます。

  • ダンピットと使い方はまったく同じ!
  • 使い勝手もほぼ同じ!
  • 価格はおよそ半額とリーズナブル!
筆者
特にバイオリン弾きならヒューミトロンのほうがおすすめ!
レアで高価なダンピットを探すより早い&安いです!

両者の違いは「柔らかさ」

ヒューミトロンは、ダンピットに比べてチューブがほんの少し柔らかいのが特徴です。
(※柔らかいといっても、水が漏れるようなことはないのでご安心を!)

  • メリット:楽器に触れたときにより優しい
  • デメリット:劣化がやや早い可能性がある

ちなみに、筆者は現在ヒューミトロン2年目です。2年間は問題なく使えると思います!

よくある疑問と回答

ダンピット/ヒューミトロンを初めて使うときに、多くの人が抱きやすい疑問をまとめました。
どれも実際の使用感をもとに回答しています。

ダンピットを入れたまま持ち運んで大丈夫?

A. 持ち運んで問題ありません!

筆者
チェロ奏者には、入れたまま練習する人もいます!(笑)

内部を傷つけたりしない?

A. ダンピット/ヒューミトロンはとても軽く、
中の壁や魂柱に触れてもダメージを与える心配はありません!

筆者
むしろ取り出すと埃だらけになってて
「あ、これ埃取りにも使える…」と思います(苦笑)

どれくらいの頻度で給水すればいい?

A. 使用環境にもよりますが、1〜2日に1回が目安です。

筆者
私も、練習場に水道があったらよく補給してます!

水が滴ったりしない?

A. 外側さえきちんと拭き取れば、滴ることはほぼありません。

不安な方は、給水後に一度つまんでしぼりましょう!

音はどれくらい変わる?

A. 乾燥したときに出る 「耳に刺さるような成分」や「カサつき」 が軽減されます。

もっとも、ダンピット/ヒューミトロンの主目的は楽器への致命傷を防ぐこと
音の違いについては副次的効果です!

筆者
演奏歴が長いほど、音の違いも捉えられると思います!

まとめ|楽器は木であることを忘れずに、保湿ケアしよう!

弦楽器は木でできているため、乾燥にはとても弱いです。

特に外出時の乾燥に対し、ダンピット/ヒューミトロンは助けになります。
内部からうるおいを保つだけで、致命傷を避けられるし、音の艶やかさも変わります。

筆者
もちろん、普段の部屋を加湿しておくことも大切!
その上で、外出時にダンピットたちを使うのがベストです!

「そんなに変わるの?」という人にこそ——

大切な楽器が”木”であることを思い出していただき、ぜひケアをしましょう!