演奏スタイル別!おすすめバイオリン弦紹介【ソロ/内声向け オーケストラ/室内楽向けなど】

  • 華やかなソロにおすすめの弦はある?
  • 逆に内声向けの弦を知りたい!

2024年現在、バイオリン弦は50種類以上あります。弦によっての評判もさまざまで、選びがいがありますよね。

 
筆者
今回、それぞれの求める音に沿った、おすすめの弦を筆者が紹介します!

この記事では、バイオリン歴35年以上・コンクール歴ありの筆者が、演奏スタイル別におすすめの弦を紹介・レビューします。

この記事を読むと、コンクール・リサイタル向けの弦や、室内楽・内声向きの弦など、自分の演奏活動に合った特徴の弦を知ることができます。

全て筆者が弾いたことのある弦で、おすすめする理由も詳しく解説します。

ハリがある弦・・・ コンクール・発表会に最適

強い説得力があり、華やかな音色の弦を2つ紹介します。

  • ロンド
  • エヴァピラッツィ

ロンド

寿命:3~5か月(平均して 1時間/日 前後弾く場合)
価格:15,000円前後 ※2024.11時点

ロンドは、華やかで説得力の強い弦です。

コンクールや発表会では、力強い音が心の支えになってくれます。
よく飛ぶ響きで、輪郭もパリッとしています。

後に紹介するエヴァピラッツィと比較すると、風合いがあって芳醇です。

強い弦なのでテンションがかなり高いです。中上級者向けの弦です。

ロンドは、もともと「リュータイライン」という、一部の弦楽器製作者や工房向けに限定して発売されていました。
市場に出回るようになったのは最近ですが、プロからの評価はとても高いです。

筆者
私の師匠もロンドを使っています!
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エヴァピラッツィ

寿命:4~6か月(平均して 1時間/日 前後弾く場合)
価格:17,000~19,000円

エヴァピラッツィは、輝かしく奥行きのある音です。
公式ページでもソリスト向けと謳われています。

ロンドと比較すると、よりピントが強く、オーラを発するような存在感です。
また、音の輪郭をはっきり伝える力がピカイチです。

筆者も、昔コンクールに参加していたときはエヴァピラを張っていました。
発表の場ではこの上なく心強い弦です。

 
筆者
ひと昔前はコンクール御用達の弦でした(現在は、ロンドをはじめ、さまざまな弦を見かけます)。
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ややハリがある弦・・・ ソロだけでなくオーケストラなどでも使いやすい

独奏としてのパワーがありつつ、オーケストラでも悪目立ちしない弦を2つ紹介します。

  • ダイナモ
  • ピーターインフェルド

ダイナモ

寿命:4~6か月(平均して 1時間/日 前後弾く場合)
価格:16,000~19,000円

ダイナモは、クセのないクリアな色彩と、分厚い音が魅力です。

独奏との相性はもちろん良いです。どんな曲にも合うのがgoodです。色彩が偏っていないためです。

また、ロンドやエヴァピラと比べると若干まろやかです。オーケストラでもさほど悪目立ちせずに弾くことができます。

寿命の長さも魅力的です。

2023年に開発された最新作で、まだ使用者はあまり見ませんが、私的にはかなりおすすめの弦です

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ピーターインフェルド

寿命:3~4か月(平均して 1時間/日 前後弾く場合)
価格:13,000~15,000円

ピーターインフェルドは、星のようにきらびやかな音色です。

ダイナモとは対照的で、弦自体に色味があります。
音がうねり、とてもカラフルです。表現力を自然とサポートしてくれるのがgood。

筆者
華やかで、かつ色合いの変化する面白い弦です!

人気弦のためか、最近は高くなっていますが、とても良い弦です。

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バランスの取れた弦・・・ オーケストラ・室内楽・ハーモニー役など、オールマイティー

マルチに活躍できる弦を紹介します。これまでの弦と比べると、少し柔らかさがあります。
サロンコンサート、室内楽、オーケストラを中心として活動する人に、特におすすめです。

  • ドミナントプロ
  • ラーセン・イルカノーネ
  • インフェルド赤

ドミナントプロ

寿命:3~5か月(平均して 1時間/日 前後弾く場合)
価格:8,000~10,000円

ドミナントプロは、ちょっと暖かい寄りの、カラフルでまろやかな音がします。

また、従来のドミナントの金属成分が抑えられています。

張力がそんなに強くないため取り扱いやすいです。
メロディーはもちろん、内声での落ち着いたハーモニーづくりにも向きます。

ランニングコストが非常によいのも魅力です。

筆者
正直、欠点の見当たらない超優等生弦です。
「今後ひとつの弦しか一生使えない」と言われたら、筆者はドミナントプロを選びます!
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ラーセン・イルカノーネ

寿命:4~5か月(平均して 1時間/日 前後弾く場合)
価格:8,000~10,000円

ラーセン・イルカノーネは、ピュアで柔らかい音が特徴です。
光や水など、透明感のあるものを連想させます。

メロディーラインから内声まで使いやすいです。

ラーセンの弦は、トマスティークやピラストロとはちょっと弾きごこちが変わります。
弓圧はそんなに要らず、横にたくさん振動させるように鳴らす、という感触です。

筆者
他社の弦にはない素敵な響きです。人生で一度は試してみてください!
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インフェルド赤

寿命:3~5か月(平均して 1時間/日 前後弾く場合)
価格:8,000~9,000円

インフェルド赤は、まるで焚火にあたるような暖かい音がします。

また、弦に独特の風あいがあります。
これにより、音にうねりが生まれ、とても面白い響きが生まれます。

内声としておすすめの弦ですが、メロディーラインとしても扱いやすいです。

今回の弦のなかではランニングコストがひじょうに優秀です。

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広がりのある弦・・・ 内声・ハーモニー向き

じんわりと広がる音で、ハーモニーとして溶けやすい弦を紹介します。
これらの弦が持つ独特のブレ・柔らかさは、和声を組み立てるうえで欠かせません。
オーケストラ・室内楽など、中でも内声を担当する人におすすめです。
また、独奏でも丁寧に音を組み立てる人に向いています。

  • オブリガート
  • Ti
筆者
筆者はこのタイプの弦が一番好みです!

オブリガート

寿命:4~5か月(平均して 1時間/日 前後弾く場合)
価格:17,000~19,000円

オブリガートは、とても暖かく太い音がします。木の幹を感じるかのような弾きごたえです。

また、内声向きの弦のなかでは輪郭がしっかりしている方です。強い弦からの乗り換えでも扱いやすいです。速弾きもできます。

総合的に、オーケストラや室内楽において非常に使いやすいです。

筆者
筆者はオブリガートを15年以上使用してきました。
オブリガートのことは一番自信があります!
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Ti

寿命:4~5か月(平均して 1時間/日 前後弾く場合)
価格:8,000~9,000円

Tiは、やや明るく、甘い音が特徴的です。

オブリガートと比較すると、より広がるような音で、風あいも感じます。

正直かなり良い弦だと思いますが、あまり話題にされません。
だから、割と安いです。
昨今は、Tiのような弦よりも、抜けのよい弦のほうが弾きやすくて人気なのかもしれませんね。
広がりのある弦が好きな方はぜひ。

ちなみにTiは、ロンドと同じく「リュータイライン」という系列の弦です。

筆者
正直、兄弟弦のロンドのほうが有名で、Tiの使用者はほとんど見かけません。
もっと有名になったらいいなと思う弦です!
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補足:初心者向きの弦

初心者向きの弦は、こちらをご覧ください。

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まとめ

私は、色々な弦を体験するのはとても大事だと思います。

今回紹介した中には、有名ではない弦もあったと思いますが、どれも筆者が自信をもっておすすめできるものです。

ぜひ、色々な弦を弾いて、自分の音の引き出しを増やしていきましょう!