バイオリン弦・肩当て、室内楽曲、オーケストラ曲の紹介・解説をしています。興味があればご覧ください!

【解説】ベートーヴェン 序曲《コリオラン》|母の涙が英雄を止めたとき

ベートーヴェンの《コリオラン》序曲は、8分という短い時間の中に、驚くほどのドラマが詰まっている傑作です。 この曲、「序曲」ではあるものの、オペラの導入ではなく、ある劇のために作られた単独作品です。 物語の主人公は、ローマの英雄コリオラヌス。祖国を追われ、敵軍を率いてローマへ迫るも、最後は母を守り命を落とす――という壮絶な悲劇です。そのドラマを、ベートーヴェンは10分足らずで描き切ってしまうのです。 […]

人気曲をリライトしました|「シベ1」「シベ2」をより深く!

今回、北欧の名作2本をブラッシュアップしました。 シベリウスの交響曲第1番と交響曲第2番――これら2つの名曲解説記事を、大幅にリライトしました! ▼リライト済みの記事はこちら 作曲された背景や各楽章の特徴 演奏者視点での聴きどころ より分かりやすい構成・解説 を追加し、初めての方でも楽しめる内容に仕上げています。 北欧の雄大さ、涼しさを感じられるフィンランドの名曲たち。 ぜひご一読ください!

【解説】シューベルト 弦楽四重奏曲第13番《ロザムンデ》|静かな哀しみを紡ぐ名作

哀しみをたたえた美しい旋律と、静かに揺れるような抒情。 シューベルトの弦楽四重奏曲第13番《ロザムンデ》は、彼が人生の暗い影と向き合いながら生み出した、繊細で深みのある名作です。 第2楽章の旋律は、とくに有名です。劇音楽の前奏曲から生まれたこのメロディは、優しさのなかにかすかな哀愁をにじませます。 同時期に書かれた《死と乙女》と並んで、シューベルト後期室内楽の頂点とされている本曲。そのルーツとは— […]

位置で取る?耳で取る?バイオリンの音程を上級者目線で解きほぐす

曲を弾いていて「音程がしっくりこない…」と悩んだことはありませんか? 実は音程の取り方には、大きく2つの手段があります。「位置感覚」で取るか、「耳の感覚」で取るか--。この2つ、似ているようで実は違いがあります。 私も昔、↓の譜面の音程が上手くハマらずに悩んでいました。 (これは数日前にご紹介した、サンサーンスの「オルガン付き」です) このとき、当時の先生に言われたのが“あー、耳じゃな […]

【解説】サン=サーンス 交響曲《オルガン付き》|構築美が光るフランスの名曲

壮麗なオルガンが鳴り響く、唯一無二の交響曲—— サンサーンスの交響曲第3番《オルガン付き》は、その名の通りオルガンを用いた豪華な響きが特徴です。 ですが、この曲の真価は“音の派手さ”だけではありません。厳かで、透明感のある響き。宗教的な要素すら感じさせる、構造美と叙情の両立。聴く者の心を静かに揺さぶる、深みある傑作なのです。 筆者 緻密さ、そして静けさの中に光る美しさも格別です! 本記事では、バイ […]

室内楽の「生演奏」がヤバいほど面白い理由

室内楽の生演奏は、超面白い! 室内楽の演奏会は、じつは魅力の宝庫です。先日も、弦楽四重奏を生で聴く機会がありました。たった4人の演奏なのに、信じられないほどの緊張感と没入感が味わえます。 筆者 オーケストラでは味わえない“ライブ感”があります! 実は、室内楽の演奏会は意外と少ないのです。 プロにとっては収益化が難しい。 アマチュアにとっては技術的にハードルが高い… だからこそ、もし周りで室内楽の演 […]

ベートーヴェンの弦楽四重奏曲、おすすめはどれ?|初めて聴くならこの4曲!

ベートーヴェンの弦楽四重奏って、どれから聴けばいい? はじめての人におすすめはある? 彼が作った弦楽四重奏は全16曲。はじめて聴く方には、少しハードルが高く感じるかもしれません。 でもご安心を。はじめてでも親しみやすく、個性も光る名曲があります!彼らしいドラマチックな曲から、香り高い一曲まで。中には、たった20分の超名曲もあります! 筆者 交響曲とはまた違う魅力が詰まっています! 今回は、歴35年 […]

楽器の持ち歩きに安心を!Airtagでできる紛失・盗難の防ぎ方

 楽器の紛失防止にいいものはない?  誰かに盗まれたらどうしよう… 楽器を持ち歩いていると、そんな不安に襲われたことはありませんか? 私が強くおすすめしたいのが、Airtag(エアタグ)です。車の鍵や財布に使われることの多いアイテムですが、楽器ケースとの相性も抜群なんです。 小さくて目立たず、それでいて高精度で位置がわかる。しかも買い切り・電池交換可能というコスパの良さも魅力です。 筆者 Airt […]

【解説】シューマン 交響曲第3番《ライン》|希望と祝祭が響く名曲

新たな川の流れを切り拓くような、希望に満ちた一作——シューマンの交響曲第3番《ライン》は、彼の充実期に生まれた、生き生きとした名曲です。 シューマンといえばピアノ曲で知られていますが、4つの交響曲も非常に人気があります。どの作品にも、人生の光と影がにじむような深い表情が感じられます。愛妻クララとの絆、そして後年彼を苦しめた精神の不調——《ライン》にも、そうした人生のドラマが色濃く映し出されているの […]

弦楽器の配置3パターンを解説|アメリカ式・ドイツ式・対向配置の違いは?

「弦楽器の配置って、どれが“正解”なんだろう?」 オーケストラや室内楽を聴いたり演奏したりしていると、一度は感じたことがあるこの疑問。実はこれ、楽団ごと・曲ごとに“音の意図”をもって選ばれている配置なんです。 音の広がり方、ハーモニーのまとまり、アンサンブルのしやすさ——配置は、演奏そのものに大きな影響を与える要素です。  筆者 実際、奏者にとっても“やりやすさ”がまるで変わります! 本記事では、 […]