バイオリン弦を選ぶうえで、音質だけでなくランニングコストも重要なポイントです。
特に一つの弦を長く使うには、価格の手頃さ、寿命の長さ、総合的な音の良さが欠かせません。
筆者はバイオリン歴35年以上、アンサンブル歴20年以上。
これまで数多くの弦を試してきた中から、コストと音質のバランスに優れたおすすめ弦をご紹介します。
本記事では、「10,000円前後」「半年近く使える」という条件を満たした弦だけを厳選。
さらに、紹介するすべての弦は、筆者自身が実際に本番で使用したものです。
音質とのバランスを考えると、このラインがベストと感じています。
※弦の寿命は「アマチュア奏者が1日1時間程度練習する」ペースを想定しています。
ドミナントプロ|万能でイチオシ!カラフルな音色

価格:10,000円前後
寿命:4〜6か月(※1日1時間程度の練習を想定)
バイオリン弦の定番「ドミナント」の進化版として登場したドミナントプロ。
その魅力は、まろやかでカラフルな音色と、寿命の大幅な改善にあります。
従来のドミナントは、音が少し金属的になったり、へたりが早かったりする弱点がありました。
ドミナントプロはこれらを見事に克服し、音の華やかさと落ち着きを両立しています。
筆者自身も現在もっとも頻繁に使用している弦であり、
ソロ演奏・オーケストラ・室内楽、どのシーンでも安心して使える万能選手です。
それくらい、バランスの取れたコストパフォーマンスを誇ります!
- オールマイティに使いたい人!
- まろやかな音色で弾いてみたい人!
インフェルド赤|ダークな響きが魅力のロングセラー

価格:9,000円前後
寿命:3〜5か月(※1日1時間程度の練習を想定)
インフェルド赤は、温かみのある重厚な音色が魅力のバイオリン弦です。
明るい響きが多い現代の弦の中で、落ち着いた深みのあるサウンドを求める方にぴったり。
特にD線・G線の音質に定評があり、筆者も低弦の鳴りに惚れ込んで長く使用してきました。
「インフェルド赤・青」と2系統出ていますが、ぶっちゃけ赤のほうが使いやすいです。
赤はよりダークで情熱的な音色を目指した設計になっています。
- 温かく、深みのある音色を求めている人
- 王道だけど、質の高い弦を使いたい人
ラーセン イルカノーネ|明るくピュアな響き、新感覚

価格:10,000円前後
寿命:4〜6か月(※1日1時間程度の練習を想定)
ラーセンイルカノーネは、明るく透明感のある音色と優れた弾きやすさが特徴のバイオリン弦です。
ラーセン社といえばチェロ弦で有名ですが、バイオリン弦にもその上品な音作りがしっかり活かされています。
イルカノーネは、音がやや明瞭で、反応も素直。
無理に力を入れなくても、軽やかに響きを引き出せる点が大きな魅力です。
特に室内楽や小規模コンサートにぴったりの弦です!
マイ弦を開拓したい人はぜひ触ってみてください!
【こんな方におすすめ】
- ピュアな音色を求めている人
- サロンコンサート、オケ、室内楽に合う音を目指す人
Ti|柔らかく華やぐ、繊細な表現に応える弦

価格:10,000円前後
寿命:3〜5か月(※1日1時間程度の練習を想定)
Tiは、柔らかさと華やかさをバランスよく持った、上品な音色が魅力のバイオリン弦です。
派手すぎず、それでいてじんわりと香り高さが広がる響きが特徴。
強く押し出すタイプではなく、丁寧な音作りをする人にとても向いています。
室内楽やオーケストラの内声パートなど、
音とじっくり向き合う譜面にうってつけの弦です!
一方で、雑に弾くと音が荒れやすいため、
音をきちんとコントロールできる人向きといえます。
よく弾き込むと甘い音になります!
【こんな方におすすめ】
- 柔らかく上品な音色を求めている人
- 丁寧に音を積み重ねるスタイルの人
もう少しパワフルな弦はない?
今回紹介した弦は、どれも音質・コストパフォーマンスに優れたものばかりですが、
「もっと音にパワーが欲しい」「華やかさを前に出したい」という方もいるかもしれません。
そんな方におすすめしたいのが、ピーターインフェルドです。

価格:14,000円前後
寿命:3〜5か月(※1日1時間程度の練習を想定)
ピーターインフェルドは、まるで星のように煌めく華やかさと、
力強さを備えたバイオリン弦です。
非常にカラフルで華やかな音色を持ちます。
反応が鋭いため、音の立ち上がりも速いです。
技巧的なパッセージでもストレスなく弾けるのが大きな魅力です。
価格は他の弦に比べてやや高めですが、
パワーと使いやすさを高い次元で両立している、
非常にコストに見合う価値のある弦といえます!
【こんな方におすすめ】
- 華やかな音で弾きたい人
- 音量や技巧面をしっかりサポートしたい人
比較表

まとめ
バイオリン弦は、音質・寿命・価格のバランスが非常に大切です。
今回ご紹介した弦はいずれも、実際に本番で使って納得できた、
コストパフォーマンスに優れたおすすめの弦ばかりです。
- バランス重視なら「ドミナントプロ」
- 暖かく重厚な音色なら「インフェルド赤」
- 明るく透明感ある響きなら「ラーセン イルカノーネ」
- 柔らかく繊細な表現を求めるなら「Ti」
さらに、
「もっとパワフルな音がほしい!」という方には、
ワンランク上の選択肢としてピーターインフェルドもおすすめします。
どの弦も、目的や好みに合わせて選べば、
あなたの演奏をきっと一段と引き立ててくれるはずです。
ぜひ、この記事を参考に、
あなたにぴったりのバイオリン弦を見つけてください!