- バイオリンの弦って、初めはなにを重視して選べばいいの?
- 初心者でも扱いやすい弦を知りたい!
バイオリンを始めたての方は、ランニングコストのよさと、弾きやすさを重視して弦を選ぶのが大切です。
この記事では、バイオリン歴35年以上・コンクール歴ありの筆者が、扱いやすくランニングコストに優れた弦を紹介・レビューします。
この記事を読むと、バイオリンを始めたての人がどのような弦を選べばいいか、また、買うときに何を注意すればいいかが分かります。
初心者には「ナイロン弦」がおすすめ!
バイオリンの弦は大きく3種類に分かれます。
「ガット弦」「スチール弦」「ナイロン弦」です。
結論としては、ナイロン弦がおすすめです。
ナイロン弦は、音色と取り回しのバランスにすぐれた弦です。
大半のバイオリニストがナイロン弦を使っています。
ただし、ナイロン弦はとても種類が多く、評判もさまざまです。
従って、自分にとって心地いいバランスのナイロン弦を知りましょう。
おすすめのナイロン弦を紹介
私が始めたての人におすすめするのは、以下の5つです。
- ドミナント(ADG線)+ゴールドブラカット(E線)
- インフェルド赤(ADG線)+ゴールドブラカット(E線)
- ヴィオリーノ
- ヴィジョン
- トニカ
ドミナント+ゴールドブラカット … ワールドスタンダード
寿命:3か月前後(1日1時間~弾く場合)
ドミナントは、すべての弦の標準となる性能です。
ゴールドブラカットは、E線のみの弦です。太さは0.26が標準です。
ドミナントとの相性がよく、音色とランニングコストを両立できます。
ADG線ドミナント・E線ゴールドブラカットの組み合わせは、ワールドスタンダードです。
プロオーケストラでも一番使われている組み合わせと言われています。
ちなみにゴールドブラカットにも種類がありますが、まずは通常版(薄緑色)で十分です!
インフェルド赤+ゴールドブラカット … 暖かい大人の音色
寿命:3~5か月(1日1時間~弾く場合)
インフェルド赤の音色は、暖かいです。また、特有の味わいがあります。
弾きやすく、同時に面白い弦です。
インフェルド赤も、ゴールドブラカットとの相性がよいです。
ADG線にインフェルド赤、E線にゴールドブラカットを張ればランニングコストも抑えられますね。
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ヴィオリーノ … 張力が弱くて押さえやすい
寿命:4~6か月(1日1時間~弾く場合)
ヴィオリーノは、暖かくも少しクリアな響きです。
張力が弱いため、指が痛くて悩んでいる人にもおすすめです。分数用も幅広く展開されています。
ヴィジョン … 明るく引き締まった音色
寿命:3~5か月(1日1時間~弾く場合)
ヴィジョンは、ドミナントの発展版として開発された弦です。
弦の中ではちょっと珍しく、明るく締まりのある音です。
また、弦のなかでも最安クラスの価格です。
トニカ … 太く芯がある
寿命:4~6か月(1日1時間~弾く場合)
トニカは、ナチュラルで太い響きがします。
癖がなくて使いやすいです。ただし、低弦の張力が強いため、どちらかというと中級者~向けです。
今回の弦のなかでは一番長持ち。練習だけなら半年近く使うこともできます。
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弦を買うときの注意点
自分の楽器のE線が、「ボールエンド」「ループエンド」か見分けよう
E線には「ボールエンド」と「ループエンド」があります。
自分の楽器によってどちらを買うべきか異なります。必ず確認して買いましょう。
また、最近では、ボール・ループ兼用の弦もあります。
購入時はボールエンドですが、ボール部分を取り外してループにすることもできます。
取り外し方は、YouTubeなどに載っています。
Gauge(ゲージ – 弦の太さ)は、Mittelを選ぼう
Gaugeとは、弦の太さです。
Mittel(普通) / Stark(太) / Weich(細)があります。
ほぼ全てのバイオリニストがMittelを使っています。基本的にMittelにしましょう。
Starkは太い分レスポンスに欠け、Weichはハリが犠牲になるからです
最低でも半年に1回は張り替えよう
バイオリン弦は、最低でも半年に1回は張り替えましょう。
あとは、弦の耐久性と、演奏時間によります。
たとえば、ドミナントはアマチュアでも年4回以上張り替えることが多いです。劣化が早く、ほつれやすいからです。
一方、ヴィオリーノやトニカは長持ちです。あまり弾かない人は、年2回の張り替えでも大丈夫です。
なお、本番のタイミングに合わせて弦を張り替える人もいます。
本番で一番いい音色なのが理想的ですよね。
この場合、本番2~3週間前に張り替えるのがベストです。
逆に本番1週間前になったら、緊急時以外は張り替えないようにしましょう。チューニングが安定しませんので。
自分で張り替えるのが怖い人は、楽器店に頼むのもアリ
弦を張り替えるのはけっこう勇気がいりますよね。
そういった方は、弦楽器メンテナンスの可能な楽器店に頼むという手段があります。
有料ですが、プロの職人さんに張り替えてもらえます。
また、楽器本体のメンテナンスの際に、一緒に張り替えてもらうのもありです。
自分でやるのは怖い!という人は検討してみてください。
まとめ
- ナイロン弦がおすすめ
- ナイロン弦のなかでもおすすめの弦は上記の5~6種類
- 張り替え頻度は年に2~4回。あとは耐久性や演奏時間次第
- E線のボール・ループは間違えないようにしよう
- Gauge(弦の太さ)はMittelを選ぼう
始めたての人は、コストパフォーマンスがよく、弾きやすい弦を選ぶことが大切です。
取り回しのよい弦でたくさん練習して、どんどん上達していきましょう!