【プレーンでクリアな音質!】雑味がなく扱いやすいバイオリン弦「トニカ」特徴、弾きごこちなどを紹介

  •  トニカ、コストも安いから気になるんだけど実は使ったことがないんだよね・・・

トニカはとても有名で、質の良いバイオリン弦です。しかし、トニカのように昔からある弦は話題にされづらく、使ったことがない人も多いのではないでしょうか。

私は、トニカを2年ほど使用し、使い勝手のよさ・クセのない音色がとても魅力的だと感じました。

筆者
耳ざわりがよく、扱いやすい。
そしてランニングコストもよい弦です!

この記事では、バイオリン歴35年以上・コンクール歴ありの筆者が、トニカの音色、操作性、コストパフォーマンスなどを紹介・レビューします。
この記事を読むと、トニカのどういった点が魅力なのか、どのようなプレイヤーにおすすめなのかが分かります。

トニカの簡単な長所・短所まとめ

  • 色味にクセがなく、どんな曲でも合う
  • とてもクリーンな質感
  • 長持ち
  • チューニングの安定が早い
  • よくも悪くも目立つ音ではない
  • しっかりと表現を付けて弾く必要がある

トニカのコンセプト…可能なかぎり雑味を取り除いたクリーンな弦

トニカは、バイオリン弦の老舗メーカー「ピラストロ」が開発した商品です。

ナイロン弦のなかでは歴史が古く、シノクサの次に開発されたと言われています。

公式ページのコンセプトは次のとおりです。

可能なかぎり雑味を取り除いた弦

公式ページによると、「バックグラウンドの”hiss” (=ノイズ)が大幅に軽減されるため、プレイヤーはより均一なトーンを維持でき、よりスムーズな弦の交差を実現できます」とあります。

これはトニカの特徴として大きいのはもちろんですが、ピラストロ社の弦全体としても、ライバルのトマスティーク社より雑味や味付けが少ない傾向にあります。

なお、2008年にトニカは改良が施され、音量面を中心にさらにパワーアップされました。

音色…コンセプトどおり、雑味の少ないクリーンな音

トニカの音色は、上の画像のような特徴です。

  • プレーンな色味
    クセがないです。自分次第で、どんな音色も出すことができます。
    プレイヤーの性格が出やすいともいえます。
    また、自分で色彩を付けることが重要なので、表現力の練習になります。
  • クリーンな質感
    コンセプトどおり、雑味がなく耳ごこちのよい音質です。
  • ややはっきりとしたピント
    焦点がしっかり定まっているため、音の輪郭が伝わりやすいです。
    メリットとして、速いパッセージでも扱いやすいです。

総合的にクセがないため、どんな奏者でも相性がよいです。
オーケストラなどの集団でも弾きやすいです。ビオラにも使用者が多いです。

トニカが特に向いているのは、「こういう風に弾きたい、こういう音を出したい」という意識がふだんからある人です。
弦の色味が邪魔しないので、やりたい表現をストレートに実現することができます。

トニカが向いていないのは、弦自体の色彩を生かしたい人、また、自分からの表現の発信・思いつきが苦手な人です。
よくも悪くも特徴が少なく、ただ弾くと平凡な音になりがちです。
逆に、普段から表現力の意識のためにトニカを使うのは良いかもしれません。

 
筆者
表現力の練習としても使える弦です!

張力(音量、操作性)…標準的

トニカの張力は全体として標準的です。

扱いやすいです。そして、弾きごたえが太いです。
これは、G線の張力が強めだからだと思います。

 
筆者
低弦に重みを乗せる練習にもなります!
初心者にも扱いやすい張力だし、中上級者にも弾きごたえのある太さです。

操作性は良好です。
音の立ち上がり・指回りともに良く、速弾きも難なくできます。

コスパ(値段、寿命)…優秀

  • 本番で使うなら ⇒ 3か月程度
  • 練習するだけ  ⇒ 4~6か月程度

 ※現在の筆者の演奏時間は、平日30~1時間程度、休日1~3時間程度です。
  もっと弾く方や、音大生、プロの方はこれより短くなると思います。

値段:2024.4時点で10,000~12,000円前後
(円高の影響もあり高めです)

ランニングコストはそこそこ優秀です。
劣化のしかたがゆるやかで、本番がなければ半年近く使うこともできます。(練習時間によりますが)

筆者
コストパフォーマンスがよいため、海外の学生にも人気です!

その他長所、短所

◎チューニングの安定が早い

トニカは張ってからすぐに調弦が安定します。

 
筆者
私の場合、張って2日後には狂わなくなりました
また、張った後のなじみ方も早いです。バリバリ・ザラザラ感がありません。

まとめ

  • クセのない音色が好きな人
  • 「こういう風に弾きたい、こういう音を出したい」という意識がふだんからある人
  • 表現力の練習をしたい人
  • ランニングコストのよさを求める人

トニカは知名度のわりにあまり使い手の多くない弦ですが、今まで紹介したように、とても使い勝手のよい弦です。

実際に専門学生にもよく使われている弦なので、未経験の方はぜひ試してみてください!

もし自分に合う弦だった場合は、コストパフォーマンスのよさも相まって最高の相棒になると思います!