- 軽くて丈夫なバイオリンケースで、なるべく安いものはない?
- 性能ももちろんだけれど、見た目のおしゃれさも重視したい!
バイオリンケースで何よりも重視したいのは、「頑丈さ」ですよね。大事な楽器である以上、ケースの丈夫さは必須のはず。
「軽さ」も重要です。軽いほど、持ち運びの負担は軽減されます。
人によっては「見た目のよさ」なども入ってきますね。スマート、かわいい、等の基準ももちろん重要だと思います。
これら「頑丈さ」「軽さ」「見た目」をすべて満たすケースのひとつ、「イーストマン」-Eastman- を紹介します。
筆者はこれまで3~4種類のケースを使用し、直近でもイーストマンを使用していました。
そして、イーストマンの使い勝手のよさは全ケースの中でも群を抜いていると思いました。
あらゆる面で80点以上の性能。コストパフォーマンスも最高です!
この記事では、バイオリン歴35年以上・コンクール歴ありの筆者が、イーストマンの特徴を紹介・レビューします。
この記事を読むと、イーストマンの長所、短所、評判と実際との差などを知ることができます。
※今回紹介するのは「スタンダード」というモデルです。
イーストマンの簡単な特徴まとめ
- とても丈夫なグラスファイバー製
- 軽量(1.8kg)
- 両肩で背負える・縦に置いたときに自立する
- ライバル商品と比べると安い
- 厳密には機内持ち込み対象外
- 真夏は後ろがやや蒸れるかも
イーストマンの概要
イーストマン(スタンダードモデル)は、バイオリンケースの歴史としては新しいです。
ドラマ「のだめカンタービレ」の峰龍太郎や、映画「四月は君の嘘」の主演・宮園かをりが使っていたことから評判が上がり、現在人気のケースとなりました。
ケースの形状は「丸型(Shaped)」です。丸型のメリットとして、コンパクトで機動性が高いことが挙げられます。
対となるのは「四角型(Oblong)」で、頑丈さや安定感がウリです。
昔の主流は四角型でした。しかし、現在は丸型ケースで頑丈なものが多く開発されたため、プロオケ奏者でも丸形の使用者が多いです。
なお、イーストマンは発売当初から何度か改良が施されています。
2009年に大幅に軽量化され2.0kgに。その後さらに改良され1.8kgになっています。また、後述しますが改良によってヘッドに持ち手がつきました。
素材:とても丈夫なグラスファイバー製
イーストマンの素材はグラスファイバーです。
グラスファイバーとは、簡単にいうとガラスを溶かして繊維状にし、加工したものです。
ガラスと聞くと「え、大丈夫?割れない?」と思われがちですが、全くそんなことはありません。
鉄の1/4以下の重さで、強度は鉄に近く、弾力性も鉄の7倍以上あります。
また、プラスチックやアクリルへの補強材として用いることで、さらに頑丈になります。
グラスファイバーを利用した身近な製品は、ゴルフクラブ、サーフボードなどです。
また、強度だけでなく、400~550℃の耐熱性があり、絶縁性(電気を通さない)もあります。
バーベキューの鉄板の2倍以上の熱にも耐えられる温度です。
中身:ポケット部分・頭部の部分が結構広い
イーストマンの中身は上の画像のとおりです。標準的な構造をしています。
特筆点として、ポケット部分・ペグ側の部分が広いです。
ポケット部分は予備弦がスッポリ入ります。チューナーも余裕です。
通常、丸型ケースはポケット部分のスペースが圧縮されがちですが、イーストマンのポケットの広さは素晴らしいです。
ペグ側の部分も結構広く、画像のように肩当てや吸湿材が難なく入ります。
また、肩当てを止めるマジックテープがついています。持ち運び中に肩当てと楽器が当たりづらくなっています。
また、イーストマンの内装は中空構造となっています。
具体的には、バイオリンの当たる面と外の表面との間が空洞になっており、落下等の衝撃を和らげてくれます。
なお、私が持っているこのケースは2009年モデルで、最新型ではありません。
最新型は弓の留め具がプロペラになっています。(画像ではマジックテープ)
軽さ:十分軽い
イーストマンの重量は上のとおり。最新型が1.8kg、2009年モデルが2.0kgです。
最軽量のスーパーライトにはさすがに敵いませんが、全体で見るとかなり軽いです。
携帯性:トップクラス
イーストマンには付属のストラップが2本ついており、両肩で背負うことができます。
個人的に両肩背負いは必須レベルだと思っています。片肩でしか背負えないと長期的に体への負担がかかるためです。
また、最新型にはヘッドに取っ手がついており、縦に持つことができます。(私のは2009年モデルのため付いていません)
あと、何気に便利なのが、縦に自立することです。
自立できるのは結構重要で、まず電車内での保持がしやすいです。電車で背負ったままだとさすがに迷惑ですからね。
また、地上で荷物を持ち替えたいときにも便利です。
防水性能もあります。接合部分も上からしっかりカバーされており水を通さず、表面素材も水を弾くため、多少の雨はへっちゃらです。
見た目:スマートでかわいい
イーストマンは、カラーバリエーションが30色以上あります。
人気なのは、ミルクティー、カフェオレなどの柔らかい色ですね。
自分好みのカラーがある人にはうってつけだと思います。
価格:3~5万円
イーストマンの国内標準価格は、税込み42,900円です(2022年以降)。
高いか安いかは人によりますが、コスパで見ると破格だと思います。
イーストマンよりコスパの良いものはそうそう無いと思います
その他の特徴
機内持ち込みは、(厳密には)ギリギリ不可
イーストマンの外寸は119cmです。(81×24.5×13.5cm)
一方、国内線の機内持ち込みサイズは115cmです。
したがって、まともな回答をすると機内持ち込みはできないです。
(ただし、ギリギリアウトな程度なので、航空会社によっては見逃してくれるかも・・・)
まあ安全のためのルールなので、持ち込みできませんと言われたら引き下がるしかないです。
対策として、最近では、機内持ち込み用のバイオリンケースを別途貸していただける航空会社が多いです。
手荷物預かりよりずっと良いので、利用させてもらい、機内の上の棚にしっかり安置しましょう。
まとめ
- まず頑丈さ、次点で軽さを求める人
- 予算5万円に収めたい人
- 好みのカラーがある人
- ポケット部分に弦やチューナーを入れたい人
バイオリンケースは基本的にずっと使うので、後悔のないように選びたいですよね。
その点、筆者は現在もイーストマンを使用していますし、筆者の周りでもイーストマンをずっと使っている友人が何人もいます。万人にとって愛用できるケースであることは間違いないです。
また、持ち運びの負担を軽減するためにも、携帯性のよいものを選ぶことは重要です。
そういった意味でもイーストマンはとても適しているケースです。
新しいケースを探している人は、ぜひ参考にしてください!