【おすすめ弦楽四重奏団3選!】バイオリン歴35年以上の筆者が好きな弦楽四重奏団を紹介

この記事では、筆者がよく聴く、おすすめの弦楽四重奏団を紹介します。

今の時代、弦楽四重奏団はすごい数があります。

ひとつの曲のアルバムを検索すると、何十という団体がヒット…どれを聴けばいいか迷いますよね。

今回は、それらの団体のなかで、筆者が憧れる四重奏団や、面白いと思う四重奏団を3つ紹介します。

もし曲を聴くうえでこれらの四重奏団の演奏があったらぜひ聴いてみてください!

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おすすめ四重奏団1:ハーゲン弦楽四重奏団

出展:Ellywa – CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=65946116

概要

ハーゲン弦楽四重奏団は、オーストリア出身のカルテットです。

初期メンバーはなんと全員兄弟姉妹です。

現在は2ndバイオリンだけ入れ替わりましたが、その2ndも、他3人と同じ音楽大学の出身です。

まさに「同じ釜の飯を食った」仲間同士のチームです。

おすすめポイント

筆者がハーゲンを好む理由は、カルテットの基本を極限まで高めたチームだからです。

このチームの公開練習(+本番)を見たことがありますが、練習では超ゆっくり演奏するのです。止まるんじゃないかってくらい。

ゆっくり練習する目的は、主に次のとおりでした。

  • 誰の音程に乗るのかを確認するため
  • 誰がリズムや拍子を掌握しているのかを把握するため
  • 今日のメンバーのコンディションや様子を確認するため

結局、最初の50小節だけで公開練習の半分以上を使い、後半部分は練習しないまま本番を迎えました。

そして、本番はどうだったかというと…超爆速で弾いていました。しかも楽しそうに(笑)

こっちからすると「えええええええ!??」って感じです。

でも、これは理想的な練習方法だと思いました。

予定調和で合わせることを目的に練習するのではなく、

「音程感はチェロから」「リズムとテンポ感は2ndから」「自分の役割は○○」などと、

ゆっくりな練習を通してお互いから取るべき要素を掴んでいたのだと思います。

冒頭の数十小節で、お互いの役割や、コンディションを丁寧に確認し、残りの部分に応用させた…

だから、本番でどんなに爆速になろうとも、不思議と一体感が生まれていたのだと思います。

この公開練習と、本番での完成度の高さを通して、筆者はハーゲンが大好きになりました。

まさに、カルテットでの対話の基本を教えてくれるような団体だと思います!

 
筆者

実際にアルバムを聴くと、「1stバイオリンに合わせるだけの演奏」ではなく、お互いの要素を出して対話しているのが分かります!

おすすめ四重奏団2:エマーソン弦楽四重奏団

ralph and jenny, CC 表示 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=31741279

概要

エマーソン弦楽四重奏団は、1976年から活動している超ベテランの団体です。

アメリカ合衆国で結成しました。

曲によって1stバイオリンと2ndバイオリンが入れ替わるのが特徴的で、どちらがお互いの担当になっても素晴らしい演奏を聴かせてくれます。

おすすめポイント

筆者がエマーソンを好む理由は、音の解像度が高いからです。

4人の音がひじょうにパリッとしており、とても聴きやすいです。

メリハリのある演奏が好きな人にはとても良い弦楽四重奏団だと思います!

解像度が高いため、古典派だけでなく近現代曲も得意です。

エマーソンのショスタコは素晴らしい演奏です。

バイオリン2人が1st・2nd両方を担当でき、バランスが良いことも理由のひとつでしょう。

補足

エマーソン弦楽四重奏団は、高齢等により2023年末を以て解散しました。

彼らの新しい演奏を聴けなくなってしまうのは悲しいですが、これまでの素晴らしい演奏を讃えたいと思います!

おすすめ四重奏団3:エベーヌ弦楽四重奏団

概要

エベーヌ弦楽四重奏団は、フランスのカルテットです。

創立メンバーの4人とも同じ音楽院の出身ですが、もともとクラシック専門ではなくジャズ専攻だったメンバーもいます。

創造力にあふれ、ドラマチックな演奏をすることで話題です。

おすすめポイント

まず、このカルテットはフランスものが本当に上手です。

ドビュッシー、フォーレ、ラヴェルの弦楽四重奏を聴くと、まるで異国にさらわれたかのような空気に包まれます。

フランスもの以外ももちろん上手くて、個人的にはハイドン、モーツァルトあたりの古典ものが好きです。

また、このカルテットは表情がとても豊かです(顔的な意味でも笑)

そのリアクション本当に必要?笑 ってくらい演奏中の対話が面白いです。視覚的にも楽しませてくれる団体です!

補足

このカルテットはつい最近(2024年)、チェロが入れ替わりました。

新しいチェロ奏者はなんと日本人です。

どんな音になるのかとても楽しみですね!

まとめ

筆者のおすすめカルテットとして、ハーゲン、エマーソン、エベーヌの3つの弦楽四重奏団を紹介しました。

どの団体も世界最高峰の実力を持っています。

もし曲聴きをするときにこれらの団体のアルバムがあれば、ぜひ聴いてみてください!