「プロ奏者のように、暖かく太い音を響かせたい。」
そんな理想を叶えるのが、オブリガートです。
オブリガートは、ガット弦のような柔らかさと、しっかりした芯のある音が魅力。
ソロでもアンサンブルでも、活躍できる弦です。
私は、35年以上の演奏歴の中で、15年以上オブリガートを愛用。
室内楽からオーケストラまで幅広いシーンで、この弦の魅力を実感してきました。
この記事では、オブリガートの
- 音色や弾きごこち
- 他弦との比較や寿命
- 向いているプレイヤー像
といったポイントを、実体験ベースでわかりやすくレビューします。
オブリガートはどんな弦?
木の幹のように太く、暖かい

オブリガートは、「木の幹のように太く、暖かい音」です。
音色は、空気ごとあたためるような暖色系の響き。
特に内声に入ったときのハーモニー作りがとても自然で、周囲に溶けやすいです。
また、柔らかくクセがないのに、ピントはしっかり合っているのが特徴です。
速いパッセージでも細部がくっきりと聞こえるため、テクニカルな場面にもきちんと対応してくれます。
例えば2ndバイオリンでメロディーが急に現れるような箇所でも、しっかり存在感を出せます。
実はバツグンの操作性
音色の柔らかさに目が行きがちですが、オブリガートは操作性もかなり優秀です。
▶ 操作感の特徴まとめ
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弓を置いた瞬間に音がスッと立ち上がる
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音のピントが合っていて、ブレにくい
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弓のスピード・重さにしっかり反応

15年使った使用感
弦の馴染みが爆速
オブリガートは、張ってから音が安定するまでがとても早い弦です。
筆者はこれまでいろいろな弦を弾いてきましたが、
オブリガートは筆者の中で安定性1位です。
チューニングが気にならないのはとても嬉しいです。
アンサンブルでバツグンの安定感!
オブリガートはソロでも使いやすいですが、
室内楽やオーケストラなどのアンサンブルにおいて、真価を発揮します。
▶ アンサンブル向きの理由
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暖かく自然な音が周囲に溶けやすい
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それでいて芯があるので、内声でも埋もれない
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技巧的な場面にも対応できる
・暖かく太い音が魅力!
・レスポンスが抜群で使いやすい!
オブリガートのコスパは?
寿命 | 4~6か月(1日1時間程度の使用) |
価格 | 約18,000円(2025年5月時点) |
オブリガートの弱点は、やや高いこと。
ただし、その分長持ちします。
練習目的なら半年近く使えます。
また、劣化の始まりが遅く、また劣化しても弾きごこちがあまり変わりません。
そういう意味で、長い間実力を発揮してくれます。
※「すぐ音が劣化する」という評判をときどき耳にしますが、古い情報です。
オブリガートは2000年代に改良されています!
他のバイオリン弦と比べてみた!
エヴァ・ピラッツィとの違い
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エヴァピラ:張力が強く、明るく華やかな音。
音量も大きい。 -
オブリガート:暖かくて自然な音。
やや控えめで落ち着いた印象。
自分の目指す音に合わせて選ぶと良いです!
ドミナント系統との違い
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ドミナント:音がまろやかでクッション性もある。ただし雑味が出やすい。
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オブリガート:雑味がなくクリーン、よりピントがある。
まとめ|オブリガートはこんな人におすすめ!
- 音に芯と暖かさの両方を求める人
- オケ・室内楽の音を追求したい!
- 安定性の高い弦がほしい!
太く、暖かく、扱いやすい。
オブリガートは、そんなバランスの取れた音を求める人にぴったりの弦です。
筆者も15年以上愛用してきましたが、“困ったらこれに戻る”という信頼感があります。
「ちょっと高いからなあ…」という人も
暖かさとバツグンの安定性によって後悔しない選択になると思います!
木の幹のような太い音、ぜひ試してみてください!