バイオリン弦・肩当て、室内楽曲、オーケストラ曲の紹介・解説をしています。興味があればご覧ください!
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室内楽曲の紹介

【解説】チャイコフスキー/弦楽六重奏曲『フィレンツェの想い出』【晩年の情熱、絢爛たる旋律】

チャイコフスキーは、生涯でたくさんの交響曲・管弦楽曲を生み出しましたが、室内楽曲に関しては寡作でした。 弦楽室内楽曲で有名なものだと、弦楽四重奏曲第1番(アンダンテ・カンタービレで有名)、弦楽セレナーデ、そして本作「フィレンツェの想い出」くらいです。 この「フィレンツェの想い出」は、そんな数少ない室内楽曲でありながら、晩年のチャイコフスキーの知恵と技術が詰まった、とても響き豊かな作品です。 この記 […]

【解説】チャイコフスキー/弦楽四重奏曲第1番【歌うように響く名旋律】

チャイコフスキーの弦楽四重奏曲第1番。 「アンダンテ・カンタービレ」という美しい楽章で有名です。 アンダンテ・カンタービレはもちろんですが、実はそれ以外の部分も素敵な曲なのです。また、後半部分には舞曲的で楽しい要素もあります。 全体的には、美しさと情熱のバランスが取れた麗しい曲です。 この記事では、バイオリン歴35年以上・ビオラ歴ありの筆者が、チャイコフスキー/弦楽四重奏曲第1番について解説します […]

【解説】ドヴォルザーク/テルツェット【チェロなしで響く美しい三重奏】

テルツェットは、ドヴォルザークの室内楽曲のひとつで、バイオリン2本とビオラによる珍しいトリオの曲です。 この曲は、ドヴォルザーク自らが知人と演奏するために作られました。 そのため、鑑賞としてはもちろん、「演奏する楽しさ」にも満ちあふれた素敵な曲です。 この記事では、バイオリン歴35年以上・ビオラ歴ありの筆者が、ドヴォルザーク/テルツェットについて解説します。 ドヴォルザークの人物像や、この曲のバッ […]

【解説】ベートーヴェン/弦楽四重奏曲『ハープ』&『セリオーソ』【心の奥に響く美と厳粛】

弦楽四重奏曲第10番「ハープ」・第11番「セリオーソ」は、ベートーヴェンの中期作品群…「傑作の森」の終盤に作られた曲です。 この2曲は、ベートーヴェン30代の劇的なドラマを乗り越えて作られた、いくぶん大人びた作品たちです。 彼の中期作品のなかでは比較的コンパクトで、聴きやすく、隠れたファンも多いです。 この記事では、バイオリン歴35年以上・ビオラ歴ありの筆者が、ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第10番 […]

【解説】ドヴォルザーク/弦楽四重奏曲第13・14番【望郷の想いと安らぎ】

弦楽四重奏曲第13番・第14番は、ドヴォルザークがアメリカ滞在で精神疲労を起こしたあと、故郷に帰って心の回復とともに書かれた曲です。 故郷ボヘミアの空気をたっぷり味わうかのような曲調。そして晩年のドヴォルザークによる円熟した技法です。 2曲とも知名度は低いかもしれませんが、素晴らしい名曲なのです。個人的には、前作の第12番「アメリカ」と同じくらい有名になってほしいです。 この記事では、バイオリン歴 […]

【解説】ドヴォルザーク/弦楽四重奏曲「アメリカ」【心を休めたスピルヴィルの夏】

『アメリカ四重奏曲』って、どこが“アメリカ”なの? 演奏するのは難しい?初めてでも大丈夫? 弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」は、ドヴォルザークがアメリカで過ごした夏休みに生まれた作品です。ドヴォルザークらしさがあふれ出る、のびのびとした雰囲気が魅力。さらに、現地ならではの民族音楽も色濃く反映されています。 筆者 心を掴むような旋律で、とても人気の名作です! この記事では、バイオリン歴35年以上・ビ […]

【解説】メンデルスゾーン/弦楽四重奏曲第1番【瑞々しく芳醇な響き】

「こんなにも心に染み入る四重奏があったとは」そう思わせてくれるのが、メンデルスゾーンの《弦楽四重奏曲第1番》です。 知名度では「真夏の夜の夢」や「スコットランド交響曲」「弦楽八重奏曲」に一歩譲るかもしれません。しかし、この四重奏曲は若き作曲家が紡いだ、瑞々しくも芳醇な響きに満ちています。 20歳の青年とは思えない成熟した情感、そしてロマン派初期らしい繊細な旋律美——クラシックファンならきっと惹かれ […]

【解説】メンデルスゾーン/弦楽四重奏曲第2番【問いかけの果てに見えるもの】

メンデルスゾーンの弦楽四重奏曲で聴きやすいものはない? 弾くにあたって作曲背景を知っておきたい! メンデルスゾーンの弦楽四重奏曲で、もっとも有名と思われるのはこの第2番。「第2番」とされながらも、実は第1~6番のなかで最初に作られました。 筆者 初期の作品とは思えないほどの完成度。とても素敵な曲です! この記事では、バイオリン歴35年以上・ビオラ歴ありの筆者が、メンデルスゾーンの弦楽四重奏曲第2番 […]

【解説】メンデルスゾーン/弦楽八重奏曲【若き情熱が生んだ名曲】

メンデルスゾーンの弦楽八重奏って有名だけれど、改めてどんな曲なんだろう? 部活動の8人で弾きたいけれど、ぶっちゃけ難しい? 弦楽八重奏曲という編成は珍しく、その中ではこのメンデルスゾーンの作品がもっとも有名で、演奏機会も多いです。 小交響曲の趣がある弦楽器だけの室内楽編成で、メンデルスゾーンの素直でまっすぐなエネルギーを感じられます。聴くのはもちろん、8人集まったらぜひ演奏にもチャレンジしてほしい […]

【革命の始まり】ベートーヴェン/弦楽四重奏曲 第1〜6番を解説

ベートーヴェンが好きなのだけれど、おすすめの曲はある? 初めてでも取り組みやすいカルテット作品はないかな? ベートーヴェンの弦楽四重奏曲は全部で16曲あり、うち1~6番は初期作品といわれます。 初期作品といえど、これら6曲は素晴らしい仕上がりとなっています。彼はほかの作曲家と比べて、十分な実力を付けてから弦楽四重奏曲に取り掛かったためです。 ですので、これらの作品を聴き比べるのも楽しいですし、初め […]