バイオリン弦・肩当て、室内楽曲、オーケストラ曲の紹介・解説をしています。興味があればご覧ください!

【初めて聴くのにおすすめ!】20-30分以内の軽い室内楽曲(弦楽)を紹介

この記事では、短い室内楽曲(弦楽)…1楽章につき数分、全曲でも20-30分以内の曲を紹介します。

室内楽というと、長くて敷居の高いイメージがありますが…

心躍るような軽快な曲や、ユーモアにとんだものも多いのです。

また、曲によっては、雰囲気を示す「副題」が付いて選びやすくなっています。

初めて聴く人は、これらの曲から聴いてみると楽しいと思います。

また、演奏者として短い曲を探している人にも参考になると思います!

 
筆者
前半プログラム用としてもおすすめです!
スポンサーリンク

概要

現在この記事では、
ハイドン
モーツァルト
ベートーヴェン
メンデルスゾーン
シューベルト
ドヴォルザーク
の曲を紹介しています。

 
筆者
後日追記する可能性もあります!

ハイドン

軽いけれど、堂々とした作風。初めて室内楽を聴く人にハイドンはとてもおすすめです!

今回は、曲の雰囲気を示す「副題」付きのものを紹介します。

弦楽四重奏曲第67番「ひばり」
17分(6/6/3/2) 爽やか

↑古い音源のため聴きづらいかもしれません!(以下同様)

澄み切った青空を、バイオリンが鳥のように舞う曲です。

最終楽章は名人芸的なシーンもあり楽しいです(演奏者はめっちゃ大変ですが(^_^;))

17分という短さで、あっという間に終わる曲です!

弦楽四重奏曲第77番「皇帝」
24分(7/7/4/6) 堂々

晩年作。明快で堂々とした曲です。筆者も大好きです。

2楽章は、ドイツ国歌の元となったメロディーが使われています。4つの楽器による対話が美しいです。

弦楽四重奏曲第78番「日の出」
23分(9/6/4/4) 優雅

ハイドンの弦四68曲のなかで、ほぼ最後の曲です。

穏やかな海を思わせる下三声の和音に乗って、1stの柔らかいメロディーが立ち昇っていきます。

そして太陽が完全に姿を現したとき、木の葉がざわめき、メインパートが始まります。

モーツァルト

ひじょうに軽快で聴きやすい曲が揃っています。

今回は「ハイドンセット」と言われる曲群を紹介します。
※ハイドンセットはモーツァルトによる曲群です

モーツァルトといえば、アイネクライネ・ディベルティメントなどの名曲もありますが、ご存じの人も多いと思うので今回は省略します。

弦楽四重奏曲第17番「狩」
25分(8/4/7/6) 爽やか

軽快で、秋の豊かな恵みを表しているような曲です。

「ハイドンセット」といって、モーツァルトがハイドンを敬愛して作った曲群のひとつです。

弦楽四重奏曲第14番「春」
29分(8/8/7/6) 軽やか

全曲通してとっても麗らかです。

まるで柔らかい気候のなかを散歩しているような気分になります。

演奏的にもそこまで難度が高くなく、初めて弾く人にもおすすめです!

ベートーヴェン

ベートーヴェンは、ハイドン・モーツァルトが作ってくれた「構成」をベースに、さまざまな発展を与えた名作曲家です。

前期作品を中心に紹介します。

弦楽四重奏曲第3番
24分(8/7/3/6) 優雅

彼がデビューしたての頃の曲です。

ウィーンに出た青年の順風満帆な音楽生活…これが第3番の伸びやかな曲調に表れています。

弦楽四重奏曲第4番
23分(8/7/4/4) ダーク

今回紹介するなかで数少ない短調の曲です。

短いけれど衝動性が強く、とても印象的。演奏者としてもやりがいがあります。

ベートーヴェンはこの頃から難聴を自覚します。聴覚が急激に失われていき…彼の絶望がうかがえます。

弦楽四重奏曲第6番
25分(6/7/4/8) 充実

基本的に軽快でユーモラスですが、第4楽章の序奏だけとてもシリアス。
初めこそ穏やかなのに、だんだん厳かに…突如不協和音にガーンと打たれます。

前期といいながら、のちの交響曲につながるような完成度の高さです。

弦楽四重奏曲第11番「セリオーソ」
20分(5/6/4/5) 厳粛

中期作品。キャッチーですが、その中身は内面的です。
20分の中に濃縮された音楽を楽しめます。

格好いいのですが、演奏面ではひじょうに難しいです。

弦楽五重奏曲(Op.4)
30分(11/7/6/6) 優雅

YouTubeリンク→ https://www.youtube.com/watch?v=VhVziG-MX0k

楽器が増えたことによって色彩が豊かです。

楽器が増えると基本的に重くなるのですが、この五重奏曲は前期作品のため、とても聴きやすいです。

じつは元となった曲があり、彼自身の木管の八重奏曲です。

メンデルスゾーン

メンデルスゾーンは、ベートーヴェンの少し後…前期ロマン派の作曲家です。

古典派の作風を踏襲しつつ、より自由で伸びやかな旋律になっています。

 
筆者
筆者は、この古典派~前期ロマン派あたりが一番好きです!
弦楽四重奏曲第1番
24分(8/4/4/8) 柔らか

メンデルスゾーンの短い生涯(38歳)のなかで、幸せな時期に作られました。

1楽章の、甘く流れるようなメロディー…とても豊潤です。

2,3楽章も穏やかな空気に満ちあふれています。ただし、4楽章のみ、稲妻に打たれたような衝撃が走ります。

弦楽四重奏曲第6番
24分(7/5/7/5) 疾走感

最愛の姉ファニーを亡くしたメンデルスゾーンは、心が不安定になります。

暗い暴走が続き、最後には悲しみが全てを押し流してしまいます。

メンデルスゾーン最期の室内楽です。

弦楽五重奏曲第1番
29分(11/8/4/6) 瑞々しい

18歳という若さで作られました。

羽を広げたような自由さ、そして瑞々しさが魅力です。

豊かで前向きな気持ちになりたい人にピッタリです!

スポンサーリンク

シューベルト

シューベルトは、メンデルスゾーンとほぼ同じ時期の作曲家です。

ただし、メンデルスゾーンと違ってかなり貧しく、苦難の人生でした。

彼の作風としてはダークなものが多く、また、やや古典派よりの整った作りです。

短い作品はあまり無いのですが、「四重奏断章」という単一楽章の名曲を紹介します。

弦楽四重奏曲第12番「四重奏断章」
9分(単一) ダーク

YouTubeリンク→ https://www.youtube.com/watch?v=0gW4u9mNjfo

ひじょうに劇的で、気概に富んだ作品。

軽くはありませんが、単一楽章のため短いです。

1楽章のみで放棄された曲ですが、完成度はとても高いです。

ドヴォルザーク

ドヴォルザークは、東欧…チェコの作曲家です。

懐かしさ・郷愁感を覚える旋律が多いのが特徴。これは、彼の育った土地ボヘミアが強く関係しています。

民族性と、西洋の端正な構築が合わさった、すてきな曲が揃っています。

弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」
26分(9/8/4/5) のびのび

大地を駆ける少年のように歌われるメロディー。時々現れる、機関車のようなリズム。

ドヴォルザークらしさを存分に味わえる楽しい曲です。

彼が、アメリカのスピルヴィルという景勝地で羽を伸ばしていたときの作品です。

テルツェット
19分(4/6/4/5) のびのび

バイオリン2本とビオラだけの曲です。

前半は透明感があって美しい音楽。後半は、民族舞曲のような激しさもあります。

ドヴォルザークが友人と3人で弾くために作った、アットホームな作品です。

まとめ

20~30分の軽い室内楽曲(弦楽)
ハイドン

弦四67番「ひばり」 77番「皇帝」 78番「日の出」

モーツァルト

弦四17番「狩」 14番「春」

ベートーヴェン

弦四3番、4番、6番、11番「セリオーソ」
弦五(Op.4)

メンデルスゾーン

弦四1番、6番
弦五1番

シューベルト

弦四12番「四重奏断章」

ドヴォルザーク

弦四12番「アメリカ」
弦三「テルツェット」

気軽に聴ける弦楽室内楽曲を紹介しました。

ちょっとした時間のあるときに、ぜひ聴いてみてください。

ちなみに、演奏者としても全て自信を持っておすすめします。充実した時間を楽しめます。

短めの曲を探している人はぜひ検討してみてください!

スポンサーリンク