バイオリン弦・肩当て、室内楽曲、オーケストラ曲の紹介・解説をしています。興味があればご覧ください!

バイオリン弦レビュー|ロンドの魅力【華やか+説得力のある音!】

パワフルな音圧、華やかな色彩!

ロンド(RONDO)は、密度の高いパワー豊かな色彩が魅力のハイエンド弦です。

パワフルな弦といえば、エヴァピラッツィが有名ですね。
実は、ロンドもエヴァピラと肩を並べるほどの名弦です!

ロンドはなぜエヴァピラほど有名ではないのか?
——理由は、ロンドは「リュータイライン」といって、
元々海外の一部の工房でしか販売されていなかったから
です。

 
筆者
コロナをきっかけにネット販売が始まりました!

その音の厚みは、ぜひ味わっていただきたい。
特に、エヴァピラをよく使う人や、「パワーは欲しいけどふくよかさも欲しい!」という人におすすめです。

この記事では、バイオリン歴35年以上の筆者が、

  • ロンドの音色・耐久性・操作性
  • エヴァピラやドミナントとの違い
  • どんなプレイヤーに合うか

を、実際の使用感をもとに解説していきます!

ロンドはどんな音色?

華やかで、説得力がある

ロンドの音色は、やや明るく、華やか

まるで花がばっと咲くような音で観客を惹きつけます。

そして最大の特徴は、テクスチャー感

エヴァピラと比べると少し風合いがあり、
弾き方を工夫することで色々な引出しの音が出せます!

ピントは、とても明瞭

広いホールでもしっかり音を届けることができます。

総じて非常に映える音で、リサイタルや発表会ではとても心強い弦になるでしょう!

筆者
私の師匠もロンドがお気に入りです!

ピーターインフェルドの改良版として作られた

ロンドの音色は、ピーターインフェルドにやや近いです。

それもそのはず。
実は、ロンドはピーターインフェルドをベースとして改良された弦なのです。

(ただ、改良版とはいいつつもそれぞれの良さはあります!)

細かい感触を書くと、
ロンドは、ピーターインフェルドよりも若干大人な音で、対弓圧性能もより高いです。
その分、音圧のコントロールは重要になってきます。

 
筆者
力強くも大人な音というイメージです!

細かい使用感!

ダイナミックスレンジが広い

ロンドを使って一番感じるのは、音量の幅が広いこと。
特にフォルテ方面のレンジがとても広く、パワフル・豊かな音を出せます。

 
筆者
パワー不足に困っている人にもおすすめ!

注意:そのテンションの高さから、初心者向きの弦ではありません。
適切に弓圧をコントロールできる中上級者こそ真価を発揮できます!

発表会やメロディー担当におすすめ!

ロンドは、全体として映える音です。
発表会でソロ曲を弾く人や、オケで主旋律を担当する人に向きます。

妖夢
非常にリッチな音で聴き映えがしますよ!

音の変化がある!

ロンドは「インフェルド」系列から進化した弦です
(ピーターインフェルドの改良版)

そして、インフェルドの名を冠する弦は、総じて色彩が豊かです。
弦に独特のうねり…グルーヴ感があり、音色が変化するのです。

 
筆者
インフェルド赤が一番うねりを感じやすいです!

ロンドはこれらに比べるとやや控えめなものの、
それでも他の弦と比べると音色の変化を楽しめます!

  • 華やかで説得力のある音!
  • 発表会やメロディー弾きに最適!
  • 音の変化を楽しめる!

ロンドのコスパ・寿命|やや高いが、そこそこ長持ち

寿命 3~5か月(1日1時間程度の使用)
価格 約15,000円(2025年10月時点)

ロンドはやや高い一方、寿命もそこそこ長持ちです。

劣化も緩やかなので、練習と割り切れば半年近く使うこともできます。

 
筆者
パワフルな弦のなかではランニングコストが良いほうです!
 

ロンドと他の弦を比べてみた!

エヴァピラッツィとの違い

エヴァピラ、ロンドともに、パワーと深さは圧倒的です。
どちらを使っても同じく満足できるでしょう!

そのうえで、エヴァピラの特徴は、クリアな音分かりやすさ
深くも澄んだ音で、反応も素直。
弾きやすさ・とっつきやすさはエヴァピラのほうが勝ると思います。

一方、ロンドの特徴は、音の引出しの多彩さ
うねりのある複雑な音で、エヴァピラには出せない色彩があります。
エヴァピラよりも抵抗が強いぶん、慣れが必要ですが、音の引出しはエヴァピラよりも多いと感じます!

 
筆者
ちなみにランニングコストは圧倒的にロンドが上です!
お財布に優しいのはでかい!

ピーターインフェルドとの違い

ピーターインフェルドは、ロンドよりも柔らかくきらびやかな音色が魅力。
ほどよいテンションでもパワフルな音が欲しい人におすすめです。

一方、ロンドは、ピーターよりも弓圧に耐えやすく深い音で鳴ってくれます。
芯の強さはやはり唯一無二です!

まとめ|ロンドは花が咲きほこるように魅了する弦!

  • メロディーラインを華やかに弾きたい!
  • ダイナミックスレンジを広げたい!
  • 発表会リサイタルで素敵に聴かせたい!

ロンドは、華やかさ説得力のある音で人々を魅了する、ハイクオリティな弦です。

弾きごたえが強い分、コントロールを求められますが、使いこなせるととても心強いです!

筆者
この弦でメンテナンスに行くと、工房の人に「おお、ロンドですね」と言われます!笑

同じパワフルな弦のエヴァピラと比べても、ひと味違った音色。

「今の弦と比べてどうなんだろう…?」という人にこそ、音楽観が広がる名弦だと思います!

ぜひ試してみてください!