- ロンドって最近有名になっているけどどんな特徴があるの?
- ソリスト向き?それとも内声向き?
- 使ったことがある人の意見や評判を知りたい!
ロンドは、トマスティーク社が発売しているバイオリン弦です。
以前までは一部の工房やプロにしか販売されませんでしたが、近年は市場にも流通するようになりました。
ロンドは、とても色彩豊かで、非常にパワーのある弦です。コンクール・リサイタルにもおすすめです。
大事な発表会にもおすすめ!
この記事では、バイオリン歴35年・ビオラ歴5年以上の筆者が、ロンドの特徴や弾きごこちなどを紹介・レビューします。この記事を読むと、ロンドの音色、耐久性、どんなプレイヤーに合うのかが分かります。
簡単な長所・短所まとめ
- 音色が華やか
- ダイナミックスレンジが広い
- 輪郭がはっきりしている
- 寿命がやや長い
- ハリが強く、初心者向きではない
- 溶け込むような音は苦手
コンセプト・・・ ピーターインフェルドの改良版として、一部の工房だけに提供されていた弦
ロンドのコンセプトは大きく2つあります。
もともとロンドは、特殊な販売系列を持っていました。
「LUTHIER LINE」…リュータイラインと言われ、一部の欧米の弦楽器製作者や技術者のいる店に限定して販売されていました。
一般に流通するようになったきっかけは、2020年以降の新型コロナウイルス感染症です。
外出自粛が要請されたことで、トマスティーク社の意向により、インターネット通販でロンドの購入ができるようになりました。
それでも、はじめは第三者による割引販売が禁止されており、かなり高かったです。
現在では、一時期よりも値段が落ち着き、買いやすくなっています。
なお、ロンドと同じリュータイラインに「Ti」という弦もあります。
Tiは、ロンドよりも柔らかいのが特徴で、オーケストラや室内楽向きになっています。
ロンドは、ピーターインフェルドの改良版として開発されたと言われています。
音色やハリの強さなど、ピーターインフェルドと共通する部分が多いです。
音色・・・ 華やか、説得力がある
ロンドの音色は、上の画像のとおりです。
- やや華やかな色彩
明るい系で華やかな色合いです。 - 芳醇な音質
やや風あいのある質感です。 - ピントが強い
焦点がしっかり定まっており、音の輪郭を細かく伝えられます。
エヴァピラに近いオーラを感じます。
全体として映える音です。実際に弾くと、とても華やかで説得力があります。
相性のいい奏者は、ソロ曲をよく弾く人や、オーケストラなどで主旋律を担当する人です。
非常にリッチな音で聴き映えがします。また、大きいホールでもよく抜けます。
気になる点としては、ちょっと周囲に溶けづらいこと。
よくも悪くも目立ちやすいです。
プロの演奏家では、ベルリンフィルの第1コンマスを務めたこともあるバルグレイ氏をはじめ、多くの方に使われています。
張力、操作性・・・ 張力は強め。操作性はとても良い
ロンドの張力は強いです。
ある程度楽器の扱いに慣れてきた中・上級者向けの弦です。
- メリット:
- ダイナミックスレンジが広い。
- 広いホールでも音の主張がしっかり通る。
- 輪郭がはっきり伝わる。
- デメリット:
- 力みやすい。
- 圧力のコントロールが上手くないと弦のよさを引き出せない。
- 楽器との相性が強い。(特にオールドで環境に弱い楽器は注意)
ランニングコスト・・・ 標準的
- 本番で使うなら ⇒ 2~3か月程度
- 練習するだけ ⇒ 3~5か月程度
※現在の筆者の演奏時間は、平日30~1時間程度、休日1~3時間程度です。
もっと弾く方や、音大生、プロの方はこれより短くなると思います。
値段:2024.4時点で14,000~15,000円
(円高の影響もあり高めです)
- 寿命は、普通~やや高い。
劣化もゆるやかで、練習であれば少し無理して長期間使うこともできます。 - 値段は、やや高い。
ただし、似たような弦(エヴァピラやピーターインフェルド)と比較すると、同じくらいです。
相対的にロンドのコスパが魅力的になっています。
その他長所、短所
◎ビオラ弦としても非常に優秀
ロンドは、ビオラ弦の評判も非常によいです。
ビオラ弦のロンドは、バイオリンとは少し特徴が違います。
リッチでありつつも、まろやかさが強いです。耳ざわりが柔らかいです。
また、張力も、ビオラ弦全体のなかでは標準的です。
そのため、背伸びした音にならず、内声として、より使いやすくなっています。
まとめ
- 華やかで説得力のある音を出したい人
- コンクール・リサイタルや、発表会を控えている人
- ダイナミックスレンジを広げたい人
- 輪郭をはっきり伝えたい人
ロンドは、界隈によってはまだ知名度がないかもしれませんが、本当にクオリティの高い弦です。
実際、ロンドを張った状態でメンテナンスに持っていくと、工房の人に「おおーロンドですね」と言われることもあります。
高いパワーと色彩を求める人は、ぜひ試してみてください!