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【やりがい十分!】ワンランク上の弦楽四重奏曲

この記事では、やりがいがあっておすすめの弦楽四重奏曲を紹介します。
有名な曲も多く、非常に聴き映えします!
一方、技術・アンサンブル面ではけっこう難しいです。お互いに勝手の分かる人でやることをおすすめします!

 
筆者
ベテランの方は、これらの楽しい曲にじゃんじゃん取り組んではいかがでしょうか!
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概要

やりがいのある室内楽曲(弦楽)
ベートーヴェン

弦四8番-9番「ラズモフスキー」 10番「ハープ」 11番「セリオーソ」

メンデルスゾーン

弦四3-6番

シューベルト

弦四12番「四重奏断章」 13番「ロザムンデ」 14番「死と乙女」

ロマン派中期~

シューマン3番、ブラームス3番

東欧

ドヴォルザーク10番、スメタナ「我が生涯より」 、スーク1番

フランス

ドビュッシー、フォーレ、ラヴェル

ロシア

ショスタコーヴィチ7-8番、プロコフィエフ2番

ベートーヴェン

中期作品からいくつかを紹介します。
難聴と向き合い乗り越えたあとの傑作です。気合を持って取り組みましょう。

弦四8番「ラズモフスキー2番」e-moll
35分(10/13/7/5) シリアス
技術:難 曲作り:やや難

↑古い音源のため聴きづらいかもしれません!(以下同様)

「ラズモフスキー三部作」といわれる名曲群(難曲)です。
全体で2拍子が多く、リズミックな旋律を好む人におすすめ。2楽章の宇宙のような音楽も素敵です。

弦四9番「ラズモフスキー3番」C-dur
32分(11/9/5/7) 堂々
技術:難 曲作り:標準

王道のC-dur(ハ長調)。ラズモの中では一番作りやすいです。4楽章の冒頭は、知る人ぞ知るビオラの名シーンですね。
ベートーヴェンらしい曲を弾きたいならおすすめ!

弦四10番「ハープ」Es-dur
30分(9/9/5/7) 優雅
技術:やや難 曲作り:難

芳醇な香りを思わせるように優雅。前作に比べると少しコンパクトです。
終楽章が変奏曲なのも特徴的。

弦四11番「セリオーソ」f-moll
20分(5/6/4/5) シリアス
技術:やや難 曲作り:難

「厳粛」という名のとおりシリアス。短さも特徴的。
勢いにとらわれがちですが、実はハーモニーも非常に深いです。

メンデルスゾーン

中後期作品を紹介します。
彼のドラマチックな人生を表すかのように、それぞれ曲調が違います。

弦四3番 D-dur
31分(13/6/5/7) 明るい
技術:難 曲作り:標準

長男カールが生まれた年に作られました。明るく喜ばしい曲です。
ただ、技術的には一番大変かも。

弦四4番 e-moll
29分(11/5/6/7) ダーク
技術:難 曲作り:やや難

ダーク・情熱的。後のバイオリン協奏曲を思わせます。
3番ほどではないがこちらも技巧的です。弾けると格好いいですね。

弦四5番 Es-dur
32分(10/4/9/9) 生き生き
技術:標準(1stは難) 曲作り:難

メンデルスゾーン自身が最高傑作と評した弦楽四重奏曲。
速いなかに暖かさも感じられるのが素敵。音程がけっこう難しいです。

弦四6番 f-moll
25分(7/5/7/6) ダーク
技術:標準(1stは難) 曲作り:やや易

姉ファニーを亡くしたメンデルスゾーンは、絶望感に襲われます。
暗い暴走が続き、最後には悲しみが全てを押し流してしまいます。

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シューベルト

劇的でダークな作品が多いです。彼のハードな人生を物語るかのよう。
「ロザムンデ」「死と乙女」は、人生で一度は弾きたい大作です。

弦四12番「四重奏断章」c-moll
9分(単一) ダーク
技術:標準 曲作り:標準

気概に富んだ曲。1楽章のみで放棄されたが、完成度はとても高い。
明と暗の対比が素敵です。

弦四13番「ロザムンデ」a-moll
33分(10/8/7/8) 憂愁
技術:標準 曲作り:標準

メランコリックな主題から始まる曲。2楽章のアンダンテは音楽になじみの薄い人にも有名です。
大人びた作品が好きな人向け。

弦四14番「死と乙女」d-moll
37分(11/14/4/8) 劇的
技術:難 曲作り:標準

梅毒、神経衰弱になったときの曲です。
とても劇的。長い曲ですが観客の心をずっと掴んでくれます。

ロマン派中期~

ザ・ロマン派のシューマン・ブラームス。
彼らの作品はどれも一筋縄ではいきませんが、比較的弾きやすい曲を紹介します。

シューマン・弦四3番 A-dur
30分(8/7/9/6) 芳醇
技術:やや難 曲作り:標準

慈愛に満ちた曲。彼の妻クララ(Clara)を音名で表しており、愛の深さが感じられます。
リズムがちょっと独特。譜割りが得意な人におすすめします。

ブラームス・弦四3番 B-dur
35分(10/7/8/10) 明るい
技術:難 曲作り:標準

「古典への回帰」と言われています。明るく、はずむような雰囲気です。
技術力は必要ですが、彼の作品のなかでは弾きやすくておすすめです!

東欧の作曲家

ドヴォルザーク、スーク、スメタナの名曲を紹介します。
郷里を懐かしむような感情に誘われます。

ドヴォルザーク・弦四10番 Es-dur
30分(9/8/6/7) 穏やか
技術:やや易 曲作り:標準

素朴でのんびりした曲。ドヴォルザークが民族音楽を最も研究していた頃です。
あまり有名ではありませんが、難易度もほどよく、おすすめです!

スメタナ・弦四「我が生涯より」e-moll
30分(9/8/6/7) 劇的
技術:やや難 曲作り:やや難

聴力を失ったスメタナが描いた、自伝的な曲。
冒頭のビオラの激白、2楽章の民族的リズム、そして4楽章の聴覚喪失…とにかく劇的です。

スーク・弦四1番 B-dur
30分(9/4/8/5) 明るい  
技術:やや易 曲作り:標準

若さにあふれ、少し上品さも感じる10代の作品です。
こちらも有名さでは劣りますが、素敵な曲です!

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フランスの作曲家

ドビュッシー・フォーレ・ラヴェルの作品。独特の音階と、色とりどりの発音が魅力。
彼らのひと味違った旋律に、とりこになる人も多いです!

ドビュッシー・弦四 g-moll
26分(7/4/8/7) 生き生き
技術:標準 曲作り:標準

独特なハーモニー、規律にとらわれない自由さが魅力。
ザ・フランスを味わいたいなら彼がおすすめです!

フォーレ・弦四 e-moll
25分(7/10/8) 優雅
技術:やや易 曲作り:やや難

フォーレの遺作で、3楽章構成の曲です。透明で、ある意味天真爛漫。
ふわっとした曲が好みな人におすすめです。

ラヴェル・弦四 F-dur
30分(9/7/9/6) カラフル
技術:難 曲作り:標準

幻想的なモデラート、民族的なリズム…色とりどりの世界に連れて行ってくれます。
上記3曲のなかでもっとも技術難度が高く、上級者向けです。

ロシアの作曲家

ショスタコーヴィチ・プロコフィエフの作品。
好き嫌いは分かれるかもしれませんが、一度聴いたら忘れられないインパクトがあります。
※ここで紹介できる音源がないためご承知おきください…でも名曲ばかりです!

ショスタコーヴィチ・弦四7番 fis-moll
14分(4/4/6) 憂愁
技術:標準 曲作り:標準

亡き妻ニーナに捧げられた曲。内面性が垣間見えるようです。
彼の作品では結構弾きやすくておすすめ。14分という短さも特徴です。

ショスタコーヴィチ・弦四8番 c-moll
24分(6/3/4/6/5) ダーク
技術:難 曲作り:標準

戦争、圧政で、精神的荒廃に追い込まれた自分を描いた曲。
あまりにも衝動的で、一度聴いたら忘れられません。弾くには卓越した技術とリズム感が必要。

プロコフィエフ・弦四2番 F-dur
22分(6/8/8) 現代的
技術:難 曲作り:標準

プロコは、現代的感覚と豊かな叙情性が特徴です。クセがありますが病みつきになる人も。
この曲は、ヨーロッパ近くの村に疎開していたときに描かれ、民族性も感じられます。

まとめ

やりがいのある室内楽曲(弦楽)
ベートーヴェン

弦四8番-9番「ラズモフスキー」 10番「ハープ」 11番「セリオーソ」

メンデルスゾーン

弦四3-6番

シューベルト

弦四12番「四重奏断章」 13番「ロザムンデ」 14番「死と乙女」

ロマン派中期~

シューマン3番、ブラームス3番

東欧

ドヴォルザーク10番、スメタナ「我が生涯より」、 スーク1番

フランス

ドビュッシー、フォーレ、ラヴェル

ロシア

ショスタコーヴィチ7-8番、プロコフィエフ2番

ワンランク上の弦楽四重奏曲を紹介しました。

慣れたチームなら、充実した時間を楽しめると思います。

本格的に取り組みたい人はぜひ参考にしてください!

 

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