【隠れた名曲】シベリウス「内なる声」|透明感と深遠の弦楽四重奏曲
シベリウスの数少ない弦楽四重奏曲——「内なる声(Voces intimae)」は、透明な響き・深い精神性が魅力の一曲です。 原題 Voces intimae には、「内面」と「親密さ」という二つの意味が込められています。そのため、日本語では「親愛なる声」と称されることも。しかしその音楽は、どこまでも静かに、深く沈んでいくような作曲者の声のようです。 筆者 個人的には「内なる声」のほうが、曲の印象 […]
※ 弦楽器の室内楽曲を紹介しています。
<プレイヤー向け>
<コンセプト別まとめ>
<ハイドン>
<モーツァルト>
<ベートーヴェン>
<メンデルスゾーン>
<シューベルト>
<ブラームス>
<ドヴォルザーク>
<チャイコフスキー>
<シベリウス>
<その他>
シベリウスの数少ない弦楽四重奏曲——「内なる声(Voces intimae)」は、透明な響き・深い精神性が魅力の一曲です。 原題 Voces intimae には、「内面」と「親密さ」という二つの意味が込められています。そのため、日本語では「親愛なる声」と称されることも。しかしその音楽は、どこまでも静かに、深く沈んでいくような作曲者の声のようです。 筆者 個人的には「内なる声」のほうが、曲の印象 […]
流麗で、ダークな世界観の名曲—— メンデルスゾーンの弦楽四重奏曲第4番は、知名度こそ高くないものの、奥深い魅力を秘めた作品です。 麗しくも影のある旋律、四声の繊細な絡み合い。 そして、実はバイオリン協奏曲の前身ともいわれる構成——力強さが宿っているのです。 筆者 あの協奏曲の情熱を、弦楽四重奏曲でも楽しめます! この曲が書かれたのはメンデルスゾーンの充実期。彼が指揮者・作曲家として大きな成功を収 […]
晩年のモーツァルトによる、軽快でユーモラスな曲—— 「不協和音」というちょっとこわそうなタイトルとは裏腹に、この曲にはモーツァルトらしい軽やかさやユーモアがたっぷり詰まっています。 たしかに第1楽章の出だしは、誰が聴いても「えっ」と思うような不思議な響き。でもそれ以外は、思わず口ずさみたくなるような明るいメロディが続きます。 筆者 モーツァルトらしい洗練が感じられる、まさに晩年の名作です! この記 […]
哀しみをたたえた美しい旋律と、静かに揺れるような抒情。 シューベルトの弦楽四重奏曲第13番《ロザムンデ》は、彼が人生の暗い影と向き合いながら生み出した、繊細で深みのある名作です。 第2楽章の旋律は、とくに有名です。劇音楽の前奏曲から生まれたこのメロディは、優しさのなかにかすかな哀愁をにじませます。 同時期に書かれた《死と乙女》と並んで、シューベルト後期室内楽の頂点とされている本曲。そのルーツとは— […]
ベートーヴェンの弦楽四重奏って、どれから聴けばいい? はじめての人におすすめはある? 彼が作った弦楽四重奏は全16曲。はじめて聴く方には、少しハードルが高く感じるかもしれません。 でもご安心を。はじめてでも親しみやすく、個性も光る名曲があります!彼らしいドラマチックな曲から、香り高い一曲まで。中には、たった20分の超名曲もあります! 筆者 交響曲とはまた違う魅力が詰まっています! 今回は、歴35年 […]
「あ、あの番組のテーマ曲だ!」そう思った方も、多いのではないでしょうか。 チャイコフスキーの《弦楽セレナーデ》。高貴で華やかな響きが、今も多くの人を惹きつけています。 でもこの曲、ただ美しいだけじゃないのです。裏に秘められたのは、“古典派”モーツァルトへの憧れ。そして、誰に頼まれたわけでもない、彼自身の“内なる衝動”から生まれた音楽です。 筆者 “自分の心”から生まれた、特 […]
今回、ドヴォルザークの名音楽2本をブラッシュアップしました。交響曲第8番と、弦楽四重奏曲第12番《アメリカ》――これら2つの解説記事を、大幅にリライトしました! ▼リライト済みの記事はこちら 作曲された背景や各楽章の特徴 演奏者視点での聴きどころ より分かりやすい構成・解説 を追加し、初めての方でも楽しめる内容に仕上げています。 特に、「ドボ8」の郷愁感・明るさの魅力「アメリカ」の伸びやかさの秘密 […]
「室内楽って、地味。」そんなイメージを持っていませんか? 人数も少ないし、派手な演出もない。なんだかオーケストラより地味な気がする―― でも実は、室内楽には“かっこよさ”がギュッと詰まっているんです!少人数だからこそ、一人ひとりが主役。息を呑むような緊張感、ぶつかり合う音、演奏者の熱気がひしひしと伝わってきます。 筆者 室内楽は、演奏者の本気のぶつかり合いなんです! 今回は、歴35年以上のバイオ […]
モーツァルトの弦楽四重奏曲第17番《狩》。その明るく親しみやすい響きは、今も多くの人に愛されています。 けれどこの曲、ただ楽しいだけではありません。背景には、モーツァルトが師と仰ぐハイドンへの敬意。そして、古典様式のなかで新しさを模索した努力も感じられます。 冒頭のフレーズは「狩りの角笛」を思わせる力強さ。聴くだけでも十分楽しめますが、譜面をのぞいてみると…? 筆者 モーツァルトって、見た目より […]
死の影を感じながらも、創作への意欲は衰えなかった――そんな時期に生まれたのが、シューベルトの弦楽四重奏曲第14番《死と乙女》。 弦楽四重奏という四人の対話の中で、深い感情と緊張がぶつかり合う劇的な傑作です。自身の歌曲《死と乙女》の旋律を引用し、生と死の境界を彷徨うような音楽が描かれています。 筆者 聴き手の心をグワッと掴むような音楽です…! 本記事では、作曲の背景から曲全体の構成、各楽章の聴きど […]